些事の迷図

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英断だと思う

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間接民主主義を肯定し、政党政治を肯定するならば、この前原氏の決断は英断と言えると思う。政党を組むという事は、細かい個々の主張についてはある程度妥協し、集団を構成する事でより重要事項に関する反対勢力に対抗するという点で、自民党だろうがどこだろうが、全ての政治家が大なり小なりやっている事だ。そのタイミングや動機、経緯を含めてどう捉えるかは人それぞれだろうが、私は今回の決断は、与党に問題ありと考えそれを是正するべしという観点からすれば、曲がりなりにも野党第一党の党首として、私心を捨てた英断として感じられた。

このまま民進党として選挙に臨めば、民進党として溶解が進むだけではなく、野党全体で票割れして結果自民党公明党の与党勢力は盤石のままだったろうし、野党共闘を進めたら結局共産党との距離次第で結局そこで票が割れてやはり自民党公明党は盤石のままだったのではないか。で、その時に「選挙前に希望の党と合流していればよかったのに」という批判の声が上がっていたのではないか。

結局日本で二大政党制にならない最大の要因は、憲法9条の護憲勢力を非自民側の最大野党がどうやっても抱え続けなければならなかった、という点に尽きるのではないか。共産党共産主義を抱えるが故に、一定の護憲勢力を取りこぼす事になり、結果それはどうしても非自民の野党に吸収されざるを得ず、その結果そこでも必ず護憲勢力改憲勢力の勢力争いが生じる。そして自民党改憲を掲げる以上、その対立軸である野党側ではどうしても護憲勢力の声が大きくなる。

国民の多くが自衛隊を肯定している現状において、護憲勢力の主張はどうしても矛盾を孕まざるを得ない。自衛隊を肯定するならば改憲しなければ論理的に整合せず、自衛隊すら否定するとなると安全保障の主張が支離滅裂になる。

結局、一般的な論理に従うならば、護憲を掲げるという事はもはや二大政党制の二つの政党どちらも持ってはいけない旗であり、こういっては護憲支持の方々には失礼だろうが、第三極以下の少数政党としての存在意義しかなくなっているというのが現状ではないか。

そう考えれば、民進党が解党され希望の党に吸収される過程において、護憲原理主義の一派が離脱し泡沫政党となる事で、ようやく日本の2大政党制がスタートラインにつくのではないかと思う。そして多くの日本人にとって、それはついに自民党の経済政策への現実的な対抗選択肢となる政党が出来る事を意味するのではないか。

まぁ私は間接民主主義も政党政治も二大政党制もクソだと思ってるスイス的直接民主制支持者なので、希望の党民進党もどうなろうがどうでもいいっちゃどうでもいい。私には英断に感じられたが、多くの人にとっては批判すべき行動と映ってるようだ。となれば合流した希望の党にとっても毒を抱え込むだけになるのかもしれない。どうなるんだろうなぁ。